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2021年7月23日 アメリカ、ライドシェアドライバーと乗客の運賃額に差を認める

2021.07.26 国外ライドシェア情報

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 本来、ライドシェアドライバーと乗客のアプリに表示される運賃などはぴったりと一致するはずだが、長らく両者の表示額には差があり、問題視されてきた。この件に関して先週、問題のアプリを運営する大手ライドシェア企業は、ドライバーアプリ上に記載される運賃が、乗客が実際に支払った料金よりも少なく表示してきたことを認めた。「これは昨年に施行されたProp22による労働習慣の変更に即したものである。」と企業は説明している。さらに企業は、現在ドライバーに対し、配車受付から降車までの時間に対する最低賃金の120%の保障や、健康保険の補助金などを保障するために、乗客の料金にその分が上乗せされているが、これらの金額をドライバーアプリの履歴には明記してこなかったために、ドライバーと乗客の運賃に差が生じ、あたかも企業が中抜きしているように見えてしまっていたと話し、今後誤解を生じさせないためにドライバーと乗客に同じ情報を提供していくと述べた。
 しかし企業はこの差額分が、何の補償にどれだけ充てられているのか等、詳細を明らかにしていないため、ドライバーからは疑問の声も挙がっている。また、既に何らかの健康保険に加入しているドライバーは健康保険補助金の対象外であり、多くのドライバーは恩恵を享受出来ておらず、差額分が本当に補償に利用されているのかと指摘する声もある。
 やはりドライバーに対しての賃金は正確に支払われなくてはならない。そして補償するべき最低賃金は、アプリを開くなどで営業が可能になった瞬間から、営業を終了したところまでであり、待機時間なども労働時間とするのが当然で、”配車予約から降車まで”のみを対象にする現在のライドシェアの最低賃金の考え方も改善されるべき問題である。今後、ライドシェアドライバーが従業員であると定義された際には、現状の不透明かつ不十分な賃金形態から大幅な変更が求められることだろう。

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